運命の人に出会えたと力みすぎたみたいです
私は過去に大失敗だと後悔している恋愛がひとつだけあります。
それは恋愛指南書を読みすぎて真面目に実践してしまったことが引き起こした失恋です。
その恋愛指南書は全米でベストセラーになったような有名な書籍なのですが、
やはり肉食で積極的なアメリカ人と草食で大人しい日本人では多少のアレンジが必要だったと思います。
その彼とは友人が働いている行きつけのカフェで知り合いましたが、
カウンターに隣同士に座ったときに友人が紹介してくれて会話が弾んだことから、
そのカフェに行く度に顔を合わせれば言葉を交わすようになりました。
彼はなかなかのイケメンだし一流企業とよばれる会社で働いていたので素敵だしモテそうだなぁという印象です。
そのカフェでたまたま会ったときでもご馳走してくれたり、
彼の様子からかなり私に興味があることが伝わってきたのでこれが恋愛に発展するかもしれないという予感がありました。
しかし私は自分で自覚があるほどの恋愛下手なので、
この恋は絶対失敗したくないという気持ちから恋愛指南書を読みあさってひとつひとつ実践することにしました。
いつもはそのカフェでたまたま会うような感じでしたが、
次第に他のお店にデートに誘われるようになりました。
最初は彼の行きつけのバーでのデートでしたが、
それからも色んなレストラン連れていってもらいデートを重ねていました。
いつもお店を選んでくれてご馳走してくれたり会話で楽しませてくれるので、
まさかその恋愛が失敗するなんて夢にも思いませんでした。
会話は尽きないしいつも楽しいので、
とても相性の良いふたりだったのだと思います。
めったに出会えないありのままでも上手くいくような相手だったのに、
いらぬ心配をしてしまったばかりにこじらせてしまうという失敗をしてしまったのです。
恋愛指南書のお陰で、
何度もデートを重ねるところまで頑張れたのかもしれませんが、
もっと夢中になって欲しいと欲張りすぎたみたいです。
信じるべきは自分の思いだったのに
その失敗の原因になった恋愛指南書ですが、
好きな相手には好きでも無い相手に振る舞うように接して、
電話もメールもこちらからしてはいけないし、
電話をかけ直してもいけないというような内容や、
急なデートは断らないといけないし、
何度かに一度はデートを断って忙しいフリをしなくてはいけないという事があたりまえのように書かれていました。
彼にも自分にも嘘をついているような気がしてとても辛かったです。
もしかしたら、
そんな罪悪感やこれでいいのだろうかという自信のなさがその恋愛を失敗させた原因だったのかもしれません。
恋愛指南書を信じて彼からのデートのお誘いをたまに断ったりしていましたが、
初めての旅行のお誘いを断ってしまってから、
ふたりの関係の雲行きが怪しくなっていきました。
きっと彼にとってはいつものデートとは違って、
意を決して誘ってくれた旅行だったのだと思います。
その後少しづつ連絡が減ってデートのお誘いも少なくなって、
いつのまにか自然消滅してしまいました。
アメリカ人の恋愛事情をそのまま日本人にあてはめる事は無理がありますが、
目の前の彼を信じずに知らない異国の人が書いた恋愛指南書を妄信したバチが当たってしまったのだと思います。
やはり自分が恋愛下手だということで自分自身に自信がなかったからの行動ですが、
手遅れになる前になんで気がつかなかったのか今思えば不思議です。
やはり恋愛は人の冷静さを奪うものなんですね。
彼を失ってからしばらくは落ち込みがひどく、
後悔ばかりしていましたが、
いまから思えば良い経験が出来たと思っています。
恋愛のテクニックはときにスゴい効果をもたらしますが、
妄信したりお互いの心の部分を忘れてしまうと取り返しのつかない失敗をすることになります。
また相手に好きになってもらうことばかり考えるからこじらせてしまうのであって、
自分から好きになるように努力しないと恋愛は長続きしないのだと思いました。