最近はあの恋愛での失敗を思い出の一つとして振り返る事が出来ていますが、当時の事を記憶が曖昧になる程に悲しく辛い日々が多かったんだと思います。しかし、彼と出会った時はそんな未来の不安ももしかたら?あるのかなと思いつつも、好きな気持は止められず、ただ単に彼に走り、好きな感情を止めることが私の中では無理になっていました。
それくらい辛いその恋愛を失敗しても良いと言う覚悟を抱えながらも彼の愛を貫こうとした私がおりました。
生で見るプロ野球選手に心奪われて
私と彼との出会いは、私が某新聞社の方からプロ野球の観戦チケットをもらった事がきっかけで出会う事になったのです。それまでプロ野球観戦をしたのは、子供の頃に祖父に連れられて一度だけ野球場へ行った事がありましたが、大人になって自らプロ野球観戦するのは初めてのことでした。
ちょっとだけスポーツに詳しい友人を誘って、その時は神宮球場へ行きました。
当日はオープン戦と行って、いわば練習試合なものらしいのですが、ほぼ初めてに近いプロ野球の観戦は球場へ行って衝撃を受けることばかりでした。
まず一つ目は野球選手ってめちゃくちゃ大きい!練習から一番前で見ていたので、その大きさに感動を覚えました。次に、おじさんのスポーツだと思っていたけど、帽子の下の素顔は若くてかっこよい人が多い!次に試合が始まりそのスピードや試合のリズムに感動して、テレビで夏になると見ている高校野球とは全然別物・・
いろんな意味でその日は感動しました。
友人と試合を終えた後に、選手がバスに乗り込むところを見ようという事になりまして、球場の出口で待ちました。先ほどまでグランドにいた彼らは本当にめちゃくちゃ素敵で、特にその中にいた○○選手に心を奪われる事となったのです。帰り道は、どうしたら一般人がプロ野球選手と恋愛が出来るのだろう?どうすれば知り合いになれるんだろ?
友人とその話で持ちきりになりました。
夕飯を2人で食べながらそんな話で盛り上がっていると、友人が書店で野球の雑誌があるから、その中に球団や寮の住所が出ているから、そこへまずはファンレターを出すってどうかな?
そんな提案をされたのです。
ファンレターか・・・
果たしてちゃんと手紙が意中の選手に届くかの不安もありましたし、そんなに簡単にいかず、この事は失敗に終わるかもしれないけれど、友人の言葉通りにファンレターを書いてみる事にしたのです。
努力の甲斐あってまさかのお近づきに!?
私が好きになってしまった相手はプロ野球選手、プロ野球選手と恋愛がしたい。そうは簡単ではない事は百も承知です。
とにかく彼に近くづいて彼と恋愛をする為に色々な方法を考えました。
彼にだけに限らずプロ野球選手とお近づきになるには・・・
①知り合いに紹介してもらうことが一番の近道なのですが、そうは簡単にプロ野球選手と一般人は繫がっていないのです。そしてあまり最初から知り合いの知り合いを辿り、選手に行き着いたとしても、警戒されて失敗に終わることも多いと聞きました。
②ファンレターを出してその中にプリクラなどを貼り付けて顔を覚えてもらう。
この方法は多分みなさんしているんと思いますが、写真がいまいちとだと一発で失敗です。
③練習や試合の出待ちをして、顔を覚えてもらう。顔が選手の方の好みなら覚えてもらう確立は高い!
この方法はベターだと感じました。
④遠征先やキャンプ地に行って差し入れをする。
これは少し顔を覚えてもらい出してからすると、より効果があるとプロ野球通の方に教えてもらいました。ダイレクトに恋愛関係に発展するかは別として、大きな失敗にはならないと感じました。
私がとった行動は、まず②です。私の意中の選手はまだ若く、知名度も低く、1軍~2軍を行き来している様な選手でしたので、ファンレターの数もさほど多くないと思ったので、寮へファンレターを出しました(勿論写りの良いプリクラつきで)
そして続けて③④もしました。やはりただファンレターばかり出しても確実に恋愛関係に発展しないと思ったので、今まで必死で書いた手紙を無駄に失敗にしたくないので、とにかくシーズン中は遠征先にも出向く事がありました。
彼が一軍にいる時は遠征先でもなかなか近づけない事もありましたが、二軍にいる時はそれこそチャンスです。試合の終わりにもサインをもらえたり、話しかける事も球場によってはあるので、私にしたら二軍の試合はチャンスでありました。
毎回ちょっとした土産を持参したので(お菓子、タオル、ブランドものの下着など)いつの間には顔を覚えてもらうことができました。
そしてシーズン終了して、秋キャンプの時にミラクルが起きたのです。
秋キャンプも2泊で行きました。その時は友人がこれないので、1人で球団と同じホテルに宿泊をしたのです。1日目の練習を見て、夕方ホテルのロビーを通って食事へ行くこうとすると、なんと意中の彼にばったり会いました。
「きてたんか~」と、私の話しかけてくれたのです。
とうとう、この時がきたと胸が熱くなりました。
夢じゃない?このまま本当に正式な彼女になれかも、、
ホテルのロビーでばったり会った彼は私に向かって、
「きてたんか~」と言ってくれました。
私の中ではもう胸が一杯になりました。それはまるで既に恋愛が始まっているかのようにときめきました。
幸い周りにはファンの方も球団関係者もいなくて2~3分立ち話が出来ました。
そして彼から信じられない言葉を言われたのです。「何号室におるん?1人?」・・
どんな風に伝えたかは緊張しすぎておぼていませんが、その後に続いた言葉は、「あとでちょっと顔出すわ~」でした。
その場を立ち去る彼に、私は食事どころではなくなりました。これって恋愛の始まり?このまま彼と恋愛ができるの?いやいやそんな簡単ではない、きっとすぐに振られて失敗に終わる。失敗するに決まっている・・両方の気持ちが入り交ざり、とにかく外へご飯を食べ行くのは取りやめ、すぐに部屋に帰りました。
それから1時間、2時間が経過して、やっぱり来てくれるわけはないな・・・
そんな諦めムードの時に、ドアがトントンとノックされたのです。
もうあんなに緊張と喜びが同時にきた事はありません。
ドアを開けると、身長184センチとっても大きな彼が立っていました。しかも手にはビール2本とチーズかまぼこ。
部屋に入れると、彼はベットに座り、部屋を見回していました。
次々質問をされ(年齢、仕事は?彼氏は?何泊できたの?住まいは?)答えるのに必死でした。彼は真近でみると更にかっこよくて本当に信じられない展開に最後までドキドキしました。
彼からはいつも応援きてくれてるから気になったと言ってもらい、アドレス交換まで言ってくれたのです。
その日はとにかく胸が一杯のまま、約40分の時間を過しました。
彼とはまたオフに会おうと言われて、もしかしたら恋愛が始まるのかもしれない?そんな期待と、そんなはずはない、絶対に彼女がいるから、どうせ遊びで捨てられる失敗に終わる、二つの気持ちがありました。
キャンプは終わり、野球シーズンも本当に終わりになってから1週間後に彼からなんと電話があったのです。
飯どう?
物凄くストレートな誘いでした。
彼の暮らす某県へ一泊でいく計画を立てました。
デート当日は私は宿泊しているホテルへ向かいに来てくれました。
街中をドライブして焼肉を食べて、ホテルの部屋に来て、私達は結ばれました。夢の様な時間に何度も冷めないで欲しいと思いました。
もしかしたら、このままちゃんとした彼女になれるかもしれない?そんな欲も出ましたが、彼からは一向に正式な言葉はなく、また2月のキャンプ地や遠征先で彼と会う日々が始まりました。
しかしどんな形でも彼といられる事に満足をしました。
ところがそのシーズン途中のオールスターの日に(彼は出ていませんが)いきなりスポーツ新聞にて彼の入籍を知りました。彼からは本命がいると濁されていましたが、私の恋愛が失敗に終わった瞬間でした。
彼を忘れるまでには1年以上掛かりました。
悲しく辛くて苦しくてプロ野球も見れなくなりました。
時が流れた今はやっと思い出に変わり、またプロ野球が大好きです。
彼は私と別れた2年後に引退しました。
今ではすっかりおじさんになっている事でしょう(笑)