失敗恋愛日記から失敗が消えた日。合コンでトントン拍子に上手くいって

恋愛 失敗 体験談 合コン

恋愛 失敗 体験談 合コン

運命の出会いは突然に

高校時代、まわりから恋愛とは無縁と思われていた地味な私。

でも、好きな人はいました。お相手は同じブラスバンド部のサックス奏者の先輩。

一方的に恋心を抱き、毎日、部活が終わると一足先に校門へ向かって待ち伏せしていました。

校門で先輩に熱い視線を向ける私を見かけると、決まって無視して通り過ぎていた先輩。

しかし、一度だけ、立ち止まって声をかけてくれました。

 

「お前さ、怖いよ」

 

 

そんなこんなで恋愛面において楽しいことのない高校生活を終えて、社会人となり、これからは大人として恋愛に励むぞー!と気合を入れてはみたものの、高校時代の失敗が頭をよぎってしまいます。

また失敗するのでは。私は恋を失敗する為に生まれたのでは、なんて自虐的なフレーズばかりが頭に浮かぶ私。

 

そんなある日、会社の同僚に合コンに誘われます。

ついに来た!

合コン!

噂には聞いていたのですが、実際に参加するのは初めてです。

きっとそこに私の運命の王子さまがいるに違いない!

そう思って、参加を快諾しました。

 

そして、当日。

この日の為に買いそろえた服でばっちり決めて、香水もジャンジャン振りかけて準備万端。

会社の同僚たちから、

「ねえ、ちょっと気合入りすぎ・・というかくさいよ」

と言われても私はめげません。

彼女たちは、私に参加者の男たちを取られるのが怖いんだわ、と思ってやり過ごします。

このポジティブさが私のいいところ。

 

夕方に早速会場へ移動。

なんとびっくり。

今回は5人対5人の合コンなのですが、相手は見事にイケメンばっかり。

これはツイている。

私の時代キター!

 

そこで、私は5人の中でもとくにタイプだったお目当ての男性の正面を陣取りました。

そしてあとはひたすら質問攻めです。

ねえ、彼女いないの?

どこに住んでるの?

年収は?

結婚式はどこでする?

家は一戸建て?

それともマンション?

子供は何人ほしい?

もう、聞きたいことは、先に聞いておくに限ります。

 

彼はなぜだが疲れた顔をして、他の男性と席を変わってしまいました。

シャイなのかしら。

 

それでも私はめげません。

2番目に好みだった男性の隣に座って、手を握って、耳元でささやきます。

「ねえ、ふたりで抜け出さない?」
そして、なんと、男性1人ゲット成功!

二人で、その場を抜け出ることに成功したのです。

 

成功かと思いきや・・まさかの展開に

その後はふたりで夜の街へ。

もちろん、男性経験が無い私はラブホテルなんて行ったことありません。

なので、全部彼にお任せしました。
彼はずいぶんと慣れているらしく、道に迷うこともなく、ホテルに到着。

部屋に入るやいなや、私は抱かれました。

初めての男性。

もう感動です。

こんなことが世の中にあるなんて。

こんな気持ちがいいなんて。

 

この感動を家に帰ったら恋愛日記に絶対書く。

そう決めました。
私の日記帳のタイトルは「恋愛失敗日記」。

でも今日からは失敗の文字を消して、

「恋愛日記」として生まれ変わらせよう。

そう思いました。
今日の合コンに参加しなかったら、友達が合コンに誘ってくれなかったら、今の私はないんだわ。

もう本当、合コンに感謝です。

 

そして、彼との一夜を終え、連絡先を聞いて、駅で別れました。
やった、ついに私にも彼氏ができた!

 

家に帰って早速彼にメールを送りました。

しかし、存在しないアドレスとして返ってきてしまいます。

あれ、おかしいな、書き間違えた?

電話をしても番号につながりません。

 

どうやら、余程興奮していたのか、疲れていたのが、メアドも携帯番号も、両方間違ってメモしていた私。
でも、大丈夫。

こんなこともあろうかと、彼が寝ている間に、彼の免許証を見て住所をメモして置いたのです。

 

翌日、グーグルマップで彼の自宅の位置を調べて、早速向かいます。

彼、びっくりするだろうなー。

嬉しくて抱き付いてくるかも?

あ、そうだ、手土産になにかお菓子でも買っていこう。

 

そうして、電車に乗って最寄りと思われる駅で降りて、

そこから10分ほどあるくと、ありました。

 

ストリートビューで見た通りの外観。

これこそ、まさに彼のおうちです!

 

早速インターホンを鳴らすと、しばらくしてドアが開きました。

でも出てきたのは女性でした。

「誰?」と言われて、

この家の彼の彼女です、と答えます。

 

「はぁ?」と言って、

その女性は、後ろを振り返って「どういうこと?」と言っています。

その後、女性を押しのけるようにして彼が現れました。

私が、昨日はありがとう、これお菓子、と渡そうとすると、

それを手ではねのけて、「ふざけんなよ」と。

 

私は?????となりました。

え?私なにかした??

 

それから扉がバタンと閉まってしまいました。

 

何度かインターホンを押しましたが、それっきり扉は開くことはありませんでした。

 

私がついに掴んだと思った幸せは、幻想だったの?

私は涙が止まりませんでした。

家に帰るまでずっと泣いていました。

周りの人の視線も気にならないくらい、ずっと泣いていました。

 

私は引き出しから日記帳を取り出して、「恋愛失敗日記」を復活させました。
「失敗」の文字がまたいつか消えることを信じて。

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