オーナーの響きに魅了されたお金も地位もある素敵な男性
今思もうと、どうしてあんなに彼を好きだったのかな?と思う様に恋愛をしました。冷静になっていろいろ思い返してみると、あの恋愛は確実に失敗でした。
周りの友人も私が当時のめり込んでいた恋愛は必ず失敗に終わり、後々後悔すると言う事は明らかだったけれど、まさか、「その恋愛は失敗だよ」なんて言葉は言う事が出来なかったと数年間経過した今でも言われます(今では完全に笑い話ですが)
私がみんなから失敗に終わるよと思われていた人との出会いは、友人数名とよく食事を食べに行っていたお店のオーナーさんでした。彼は30代後半で自分のお店を持って(当時は40代)、その後2店舗3店舗と店を広げていった言わば実業家と言われている男性でした。
最初に、その飲食店(イタリアン)へ行く様になったのは、学生時代からずっと付き合いのある友人からの誘いでした。美味しくてリーズナブルで、雰囲気も良くてオーナーもノリが良い店だから、次回の女子会はその店にしない?と、友人が全てセッティングをしてくれたので、後に私がのめりこんでしまうオーナーのイタリアンの店へ始めて女子会で行ったのです。
お店の雰囲気は本当に良くて料理も美味しくてとにかく女性のお財布に優しいので、一発で気に入りました。途中でオーナーも登場して、そのノリと話術で楽しいひと時を過ごしました。
その時のオーナーさんの第一印象はややぽっちゃり系だけど、顔もそんなに悪くなくオーナーだけあって、良い服を着ているな~と思う程度でした。
その日はそれで終わりましたが、私はその店が気に入ったので会社の同僚も連れてディナーへ行く様になりました。私が予約を入れると、必ずオーナーは多忙な時間の中に挨拶にきてくれて、いつの間にか男性として意識をする様になりました。
同僚曰く、信じられない!ただの少しお金のあるおっさんじゃん・・・と言われましたが、私の中では確実にお金も地位もある素敵な年上の男性という感じになっていたのです。
オーナーとは個人的に連絡先を交換して、たまにオーナーより御礼の電話やメールが届くようになりました。そして遂に、良かったら今度バーの方へ飲みにこない?と誘ってもらったのです。
個人的に誘われた事も、違う店舗への招待も嬉しくて、何だか舞い上がりました(当時は彼氏が丁度いなかったことも重なったと思います)
彼が車で私を迎えに来てくれましたが、なんとポルシェできたのです。
人生初のポルシェの助手席は優越感そのものでした。
彼に気に入られるためには背伸びをしていた私。
3店舗お店を経営しているオーナーに惹かれるようになり約3ヶ月が経過していました。しかし、最初からやっぱりこの恋愛はし失敗に終わる予感と言うのか、失敗するという雰囲気はどこかで感じてたのかも知れません。
しかし私の中でも久々の恋愛気分でしたので、失敗がふと頭に過っても、このまま突き進もうと決めたのです。初めて彼から個人的に誘いを受けて、彼の経営するバーへ連れて行ってもうら為に、彼の自慢のポルシェの助手席に乗り込みました。
過去に付き合った彼が高級外車など乗ってる男性はいなかったので、心がかなりときめきました。車で男性度が上がるというのは本位でありませんが、やっぱり私もその辺はブランドに弱い女性と同じだなと改めて感じました。
彼の経営するバーは、普段私が行きつけにしているイタリアンレストランとは雰囲気が違いました。静かなバーにはBGMも大人な局がかかっていて、VIPルームも小さいながらありました。
ちょっと大人な雰囲気を装う必要があるので、精一杯背伸びをしました。するとそこへ、VIPルームからオーナーの彼を呼んでいる女性二人組がいました。
薄くらい感じではっきりは見えませんでしたが、ただ者ではないという感じは遠めでも分かりました。ボーイさんに聞いてみると読者モデルとして活躍してる方たちの様で、オーナーとは友人関係にあると言うのです。
ちょっと嫉妬心を感じながら、私なりに負けてはいけないみたいな変な気持ちもが出たことも確かです。オーナーはその後も私を誘いながらも、奥のVIPルームの読者モデルさんの方ばかりへ行って接待している事が少し腑に落ちませんでしたが、お客さんなので、仕方ないという思いを持ちながら、その日はそれで終わりました(帰りもポルシェで送ってもらえました)
その日、帰宅してからはオーナーの彼ともし恋愛したら、本当にどうなるのかな?と初めてシュミレーションみたいな事をしている自分がしました。
しかし私の中では彼との恋愛は失敗を感じる要素がなく(わざと思い込んでいたのかもしれません)彼のお店ヘは足しげく通う様になりました。
彼の店へ行く度に私の中では自己嫌悪と言うのか、確実に嫉妬心もありました。バーの方は毎回きれいな読者モデルさんや、有名ではないもののタレントさんが来ていることが多いし、背伸びして負けないと自分をアピールしている嫉妬心全開で自信を持てない私がいました。
その頃から私はブランド物やカバンを見にまとい(ローンです)メイク方法も変えて何とか彼にふさわしい女性になる努力をしました。
知れば知るほど夢から覚めて、、
私なりに賢明に努力して大人の良い女を演じてみましたが、オーナーの彼からは一向に個人的な交際は申し込まれません。そうなると完全に私の方が彼を好きでいることが分かり、その時点でその恋愛は完全に失敗すると暗示されていたように感じます。
この手の恋愛をもし私の身近な人がしていたら、確実に失敗に終わる恋愛だからやめときな!と忠告をするパターンになっていました。
私の方から彼の気持ちを何度も確認したり、きちんとした彼女という座に納まりたく、恋愛をしているという安心感を欲しいと何度も何度も迫るようになりました。
彼は私との関係はとにかく曖昧にしておきたい気持ちが強かったようで、そもそもきちんとして恋愛を始めるつもりも無かったようなのです。なので最初から恋愛とか失敗とかは彼の中では一切無かったと言う事が分かりました。
また詳しく彼を知り愕然としたのは、まだ籍を入れている奥さんも(子供あり)いて、その事も中途半端な状態になっていたようで、その業界では遊び人とレッテルを貼られていたようです。
しかも後々分かった事は彼は良いとこの家の子で、その若さで自力でオーナーになったわけではなく、お父様の絶大なる力の元、3店舗もお店を展開できていると言う事も分かりました。
そんな事が発覚してもなお、私は完璧に彼のブランド力みたいなものの虜になっていました。私だけではなく玉の輿を狙っているタレントさんや読者モデルも多かったと思います。
またそれではなくて、彼の交友関係には人気絶大なアイドルやタレントの男の子も多かったので、もう誰目当てで彼に寄ってくるのかが分からない状態にもなっていました。
そんな中、彼は私に曖昧な態度を取り続けました。男女の関係はあり、周りから言わせれば立派なカップルです。しかし彼の中では彼氏や彼女の位置づけをしたくないと言われて、ダラダラと関係性が続きました。
そして、ある時、彼のイタリアンのお店で友人と女子会をしている時に、隣のテーブルで食事をしていた20代後半の女性グループの会話を聞いて夢が覚めました。まるで私が始めてこの店を訪れて時に様に、純粋にオーナーに憧れて好きになりかけている子がまさにテーブルの横にいるんだ~と思ったら、何だか本当に一気に覚めたのです。
結局、毎回彼はオーナーの立場を利用して甘い蜜だけ吸って、曖昧な態度を繰り返して自分の地位とお金という権力で女性をもてあそぶ、ただの太めなおじさん!って事を悟ったのです。
初めてこの恋愛は失敗だったということが分った瞬間でもありました。友人たちはやっと目が覚めたね!大事になる前で良かったと、その後何年間も笑い話しにされました。
因みに、今はその彼のお店は3軒共にありません・・・