結婚にむけての出会い
私は２０代後半の事務員です。当時私は結婚に焦っていました。
テレビのニュースでは初婚の平均年齢は３０代に上がっているというけれど、それは結婚しない人や都会のキャリアウーマンも含めた年齢です。
私はかなりの田舎に住んでいて、地元に残った友達は２０代後半であっという間に結婚ラッシュとなりました。
そして２０代の終わりを迎える頃には、出産ラッシュがやってこようとしていました。それなのに私は、数年前に公務員の人と恋愛に発展しそうな大事なところでデートの前に結婚話をチラつかせてしまい失敗に終わりました。
それからは恋愛もデートもごぶさたです。結婚にこぎつけるその前に、今からじっくり恋愛してデートしなくちゃいけないのなら、出会いに手間取っているヒマはありません。
もし恋愛の失敗を繰り返したら何歳になってしまうのかと不安だらけです。これからお見合いや紹介があったら、お断りしたい要素がある男性なら躊躇することなくすぐにキッパリ断って、よければ失敗せず前進できるよう努力すると決めたのでした。
さて、私の決意のあと友人の結婚式がありました。新婦は私の高校時代の友人で、新郎はその関連会社に勤務する設計士さんでした。
結婚式には建築関係の男性が大勢いました。友人の話では建築関係の人は職場に女性が少ないから恋人募集中の人が多いとのこと。
期待は膨らみますが披露宴では友人のお祝いがメインなので失礼がないように新郎側の出席者に目を向けることはグッとこらえました。
そして２次会で素敵な出会いがないものかとビンゴゲームに参加しました。でも一緒に参加している私の友人は既婚者が多く、ワイワイと男性陣とお話する雰囲気になりません。
まさか私一人ががっついて男性の輪に飛び込むわけにもいかず、女子同士で盛りあがり、ビンゴで私にバスソルトセットが当たりました。
ビンゴ終了後に幹事が、商品がもらえた人を集めて記念撮影し、あとは女子同士でおしゃべりして解散となりました。
それから２週間後、新婦からビンゴの時の写真が送られてきました。そしてそこに、写真の中のある男性があなたに興味があると連絡がきているというメモが添えられていたのです。
写真で男性を確認すると筋肉質でワイルドな感じだけれど笑顔は優しく好印象だったので、新婦を通じて連絡先を交換したのでした。
ようやく出会えた人とのデートで大失敗
連絡先を交換した男性とLINEでのやりとりが始まりました。Tさんといって新郎と同じ東京の大学に通っていたそうです。
新郎とは出身県が同じということで意気投合して友人となり、大学卒業後はそれぞれ地元の設計事務所に就職が決まり戻ってきたとのことでした。
同じ県内だけれどTさんの家や勤め先は私の家から車で１時間ほどの距離です。私はちょうどいい距離だなと思いました。
田舎ですから私も当然車を持っているので中間地点で会えばそれほど大変ではありません。
Tさんからのメッセージは紳士的で優しくて、とても好感のもてるものでした。
趣味は読書とツーリング、好きな食べ物はカレー、大学時代に彼女はいたけれど就職と同時に別れて以来女性と出会いがなくて恋愛もしていない。
そんなTさんのことを知るうちに私はどんどん恋愛に前向きになっていきました。自分からデートに誘いたいくらいでしたが、とりあえず様子をみているとTさんからデートに誘ってもらうことができました。
私は久々のデートにむけて服はどうしよう、バックは靴はと軽いパニックになりました。絶対に失敗したくないと、奮発してワンピースと靴を購入しました。
私の家の近くまで迎えに来てくれるということでしたので、待ち合わせ場所にむかいました。すると１台のバイクが私の前にとまりました。Tさんでした。
そこでようやく思い出したのです。Tさんからのお誘いは風が心地いいこの時期にバイクで出かけましょうというものだったのです。
デートのお誘いにすっかり浮かれた私はバイクのことはすっかり忘れて準備してきてしまったのでした。
ワンピースではバイクの後ろに乗れません。
大失敗でした。
でもTさんはとても優しくて「バイクに不慣れな女性にバイクの時の服装のアドバイスをせずに誘ってしまってすいません。僕の失敗でした」と頭をさげてくれたのです。
私は急いで家に帰りパンツとスニーカーにはきかえて出かけました。パンツもスニーカーもトップスもバックもちぐはぐで、失敗コーデでしたけど二人でバイクから見た海は最高でした。
今ではTさんと恋人同士となり素敵な恋愛をしています。
