小学6年生のピュアな片思い
小学6年生の頃‥‥クラスメイトに好きな人がいました。
学生時代に好きな人が出来てしまうなんていうのは漫画でもよくある話ですが、実際現実でも恋愛というものは平然と人間の頭の中で作り出されます。
私がこれから語るのは体験談であり、結果として失敗という結末を迎えた恋愛の甘酸っぱい話です。
私は小学6年生でありながら石橋を叩いて渡るほどに慎重なタイプの人間でした。おかげで人を見た目より中身で判断する傾向があり、どれだけお洒落をした女性がいても目を奪われるなんてことは滅多にありませんでした。
それに小学6年生といえば学生ならば思春期真っ只中!!生徒たちは恋愛という二文字に非常に敏感でした。
「好きな人がいる」
なんて疑惑が浮かび上がると男は野次馬のように飛びたかり冷やかしからかう、女は良い話題を拾ったとばかりにウワサを広める。
うかつに誰が好きだの恋愛だのと下手なことを口走れば何を言われるか分からない。
小学校に通うただの小学生でありながらもその人間関係は恋愛戦国時代!!自分は恋愛面に関しては「好きな人なんていねーよ」と心に武装を重ね‥‥恋愛体験を拒んでいました。
そんな俺でも一人のクラスメイトに恋をしてしまいました。
彼女は見る限りテストでは毎回高得点を重ね‥‥習い事としてやっているバドミントンは県大会で準優勝を果たし、表彰されているくらいに優秀で自分には手が届きそうもない立場にいる人でした。
それに比べ俺は勉強が出来ず、テストでは失敗ばかりを繰り返し、クラスの中でも1位2位を争うほどにどうしようもない馬鹿たれだったのでした。
馬鹿とはいっても今の自分では彼女となんて釣り合わない‥‥なんてことは承知しており‥‥こちらが一方的に想い続ける片想い、という状態が続きました。
今にして思ってみると彼女と隣合っただけで顔が火照って、熱くなり赤くなるほどでしたので「これほどまでの片想いはないなぁ」と今でも後悔するところがあります。
今しかできない恋愛をもっと頑張れ
小学校には年下年上の学年の人と関わる兄弟グループという体験がありました。
学年ごとに男女それぞれで振り分けられて、1年から6年までの男女2人ずつの計12名の班でイベントに参加するということはものでした。そこで運がいいことに自分と同じ学年で選ばれた女子生徒は‥‥
なんとその片想いの人だったのです。
と言っても好きになったのは選ばれた後のことではありますが‥‥
イベントの内容は今までお世話をしてくれた小学6年のため5年生が主体となって、みんなをイベントが開催されるクラスに引き連れていって‥‥最後はみんなで給食を食べて終わるという形でした。
移動の時のルールとしてあるのが‥‥学年ごとにきちんと整列して移動をして‥‥隣の人と手をつなぐ!なんてとんでもないルールがあったのです!!
俺は必然的にその片想いの人と手を繋いでしまいます。
私にとって学生時代の恋愛においてこの瞬間こそ失敗した体験はありません。学生だからこそ失敗する恋愛‥‥逃げ道のできる大人にはあり得ないことなのかもしれません。
好きな人と手を繋ぐことに抵抗を持った俺は無意識に手を繋ぐことを拒否してしまいました。
彼女は「ん、どうしたの?」とたずねてきます。
自分でも何故手を繋ぐことを拒否したのか分かりません。
好き避けという奴でしょうか‥‥
今思えば彼女のことが好きであることがバレるかもしれないと思ってのことなのでしょうか。
さらに無意識のうち自分も愛想のない発言をしてしまいました‥‥
「別にいいよ、手を繋がなくても‥‥」
恋愛においてこの瞬間ほど後悔した経験はありません。
正直あの頃の自分をぶん殴ってやりたいです。
その後結局、手を繋がないまま兄弟グループの班行動は終了し小学校卒業まで何の進展もなく‥‥中学校は別々になるので小学校の卒業式が最後で彼女とはそれ以降、合うこともなく今に至ります。
この後悔から今しかできない恋愛があると学びました。
人を好きになるのが弱さなら告白するのは強さなのかもしれません‥‥