家庭環境のコンプレックスから男性不信に
当時の私は自分の中身もなかったからこそ恋も失敗してしまったのだと思います。
私は幼い頃からとても辛い生活をしてきました。
両親の不仲などもあり家庭環境も荒れていたのです。
特別に非行に走る事はありませんでしたが、どことなく人を信用できない部分もあったのだと思います。また、それだけではなく自分の価値自体がかなり低い水準となっていました。自分はどうせ役に立たない人間なのだから仕方がないとか、もしかしたら恋をすることもないのではないかと考えていました。
さすがに周りが恋愛するような世代になると、その話をする事で盛り上がる機会もあり自分だけが取り残されているように感じることもありました。そういう気持ちが大きくなればなるほど、私が好きになる相手も同じような状況でなければならないのではないかと感じることがありました。
周りの人は積極的に自分からアプローチしたり、そうでなくても相手側から告白するというようなこともよくありましたが私は学生時代に全く恋とは無縁の生活を送っていました。
そもそも家庭環境の影響もあり男性不信の状態だったのです。
男性というのは根拠もなく家族に迷惑をかけることもするし、それを反省することもないのではないかと常に感じていました。だからこそ恋はしないとまで決めている部分もありました。
それ以上に私の見た目と頭の中の幼さというのは際立っていました。だからこそ失敗を重ねてしまうことの要因にはなっていたと思います。当然、異性を意識する時というのはありました。それは男性タレントであったり、漫画やアニメで見たキャラクターであったりと本物のリアルの男性ではなく夢の中の人物なのです。
人間性を伴わない非現実的な男性の人間像を作り出し思い描いていた部分も、私の失敗の原因だったのかもしれません。
また、思った以上に自分のコンプレックスが強すぎて、結果的に相手は自分よりもさらに落ち度のある人でないとむしろつき合えないと思い続けていたことが、より失敗の原因に繋がったのだと思います。
また自分の容姿にもコンプレックスを持っていました。
私は一時的に夜のお仕事をしたことがありましたが、男性の受けは悪く男性に好かれないタイプだと感じていました。
男性嫌いなのにどうしてこのような仕事をしてしまったのかと思うのですが、やはり私はその頃人間よりもお金の方が自分の価値を上げてくれると常に思っていたのです。
お金さえあれば自分を癒す手段を選ぶことができました。
恋愛の経験不足で盲目に
水商売を短期間始めた時に私が好きになった人は離婚したばかりの男性でした。
当時養育費も支払っていたと聞いていました。
どちらかといえば初めての恋の場合よほど相手を好きにならなければ、付き合いは考えないことも間違いありません。
ですが、私は落ち度の常にある人間なのです。
コンプレックスの山積みもあり、自分に合うような適当な人物を探し続けていました。パートナーのいない女性というのは、私の世代であればある意味敗北者でした。コンプレックスを持っている上に、さらに価値観が下がるという事は自分で許すことができなかったのです。
その時に、男性に求める父親の愛情のような物も欲求していたように感じます。だからこそ、年齢の離れた男性の方が自分のことを包み込んでくれるのではないかと考えたのです。
私が本当に好きになるような相手は、見た目はとても整っており性格も良く明るい感じの人の方が好きでした。ですが私はそういう人と縁があるとは思えなかったので、適当な人物を常に探していたのだと思います。そういった自分の内面的卑しい部分が、その時付き合っていた彼と合致してしまったのかもしれません。
要は寂しさを埋める相手であり、適度におかしくないと思われる程度であれば相手は誰でも良かったのかもしれません。今ではその時に感じていたものが恋だったのかどうかということさえよくわかりません。
実際の恋というのは、男女がただつるんでいるだけの状態という風にも思いました。
いわゆる横に置くだけの添え物です。そのぐらい私には恋のレベルというものがわかりませんでした。
だからこそ失敗してしまったのではないかと思います。
恋と愛の違いというのも全くわかりません。
それまでに1度ぐらいの失敗の経験をしておけば、自分のどこが悪かったのかということも気づくチャンスがあったのかもしれません。ですがそれまでの私は、男性に飲み会に行こうと誘われたとしても、絶対に自分の時間を潰されたくないと思うタイプでした。
なぜ夜遅くに帰宅することになるようなふれあい行動を、他の人間と行わなければならないのかとむしろ疑問に思うほどでした。男性への偏見は家庭の経験上どうにもならない事柄となっていました。こうした私の性格上の偏った部分も失敗を重ねる原因となったのだと思います。
私が恋愛をしようと考え始めた時には結婚適齢期を若干過ぎていました。それまで男性と関わるのは嫌だと思っていたのです。失敗の原因は、結果的に経験不足によるものなのかもしれません。
恋愛感情よりもメリット・デメリット
恋は盲目という言葉もあるのですが、その時私は本当に恋をしていたのかどうかということもわかりません。ただ、周りが持っている物を持っていないというだけで、自分の劣等感がじわじわと押し迫ってきました。
バツイチ、子持ち、借金がある等の話は聞いていましたが、私の好きになった人はわりかしおとなしく他の男性よりは話がしやすく感じました。
ですから、デメリットを見ずにメリットだけを見るように心掛けました。
1回失敗しているということは、ある程度恋愛経験があり女性に対する態度もわかっているだろうと思っていましたし、実際に相手の話では結婚した女性側のほうに離婚理由があったとも聞きました。
借金をしているという点を見れば、明らかに相手のせいだけでは無いのはすぐに分かることなのですが、その時にはとにかく自分にパートナーという新たな必需品が欲しかったので、全てに目を伏せてしまいました。
とにかく離婚は済んでいるということですし、子供の養育費さえ払えば後は自由になるという話も聞いていました。借金に関しては細々とではあるが返済しているという話も聞きました。何がしかの書類も見ることがなくそれ以上に聞くこともありませんでした。
自分はとにかく恋をしているのだから、失敗した人間では無い、そう思えるだけで少しでも誇りに思うことができました。周りと違い悩むことはない、だから出来損ないでは無い、そう思うと満ち足りた生活に感じました。
ですが付き合いだせば相手の本性など簡単に分かるものです。
彼は給料の3分の1を子供の養育費に当てていましたが、借金の返済は未納になることも多く、サラ金に追われているということを後で知ったのです。それなのに、ギャンブル漬けで止めることができず、いくら説得してもまともになることがありませんでした。
失敗することは許されない、逆にこの状況を維持していかなければならないのかと当時は必死でした。なぜなら私は恋の失敗により、ますます無価値になってしまうからです。
結果的に相手の様々な欠点がわかってきた上に、モラハラ的な横暴さがあることもわかりました。そうなってしまったのは自己評価があまりにも低く、安易に恋愛対象の人物を選んでしまったことが原因だったと思います。
要は私も相手と変わりがないほど性格が悪く、人を見抜く力もなかったのだと思います。
今は幸いに良いパートナーも見つけ幸せな生活を送っていますが、その時の経験というのが自分を振り返る良いきっかけにはなったのだと思います。
