始まりはとってもスマートだったのに・・・
今でも思い出すと顔から火が出るような恥ずかしいデートでの失敗談があります。その後1~2年はその事を引きずりまして、友人内でも私の失敗デートの話はNGとなりました。
恋愛中は誰でも相手から良く思われたないものですし、特に最初は凄く背伸びをしたり、カッコつけたりする事が普通だと思います。また背伸びしたり、カッコつけたりしないのは恋愛ではないと私は思っています。
そんな彼との始まりは物凄くスマートな始まりでした。彼と出会ったのは私がたまに1人で行くバーのカウンター席でした。
バーのカウンター席なんていうと、いかにもドラマに出て来るように大人びた店を連想させてますが、私がたまにいっていたバーは自宅から徒歩3分にある、商店街でも愛されている様な味のあるマスターが経営するお店です。
ランチタイムの営業でも利用していましたが、夜はダーツが出来る事から若者もとても沢山集る気楽に飲めるお店なのです。
そんな雰囲気のバーなので女性一人客も多い中、みかけた事がないお客さんが後に私が大好きになりかけた男性でした。
1度目は挨拶も交わしませんでしたが、二度目に合った時は先日はどうも~的な会釈だけをしました。するとマスターが「彼は先日、福岡県から転勤で関東に引っ越しをしてきたんだって~」と、私に話を振ってきました。
福岡県には学生時代の友人が嫁いだ事から今まで3回訪れている県です。何だかすぐに話しも合いまして、彼とその日は一緒にカウンター席で楽しく飲みました。
「これって恋愛の始まり?」って思うまでは時間が掛かりませんでした。
私はバーでは少しよそ行きの顔をして飲んでいるので、バーにいるスマートな雰囲気の私に好感を持ってくれてデートに誘ってくれたんだと感じました。
しかし、楽しい嬉しいはずのデートが飛んでもないハプニングを巻き起こして失敗に終わると、その時点では夢にも思いませんでした。
突然すぎで防ぎ様がないこと・・・
彼との恋愛の始まりを期待しながら久々のデートの日当日を迎えました。本当に久々の恋愛の予感とデートだと言うのに、私は前々日から風邪気味で体調は最悪でした。
しかし当日は、横浜の私が行ってみたかったお店を彼がわざわざ調べて予約まで入れてくれていたので、まさかキャンセルするわけにはいきません。
彼も関東へ来てからは横浜へ行く事を楽しみにしていると言っていたので、街案内を兼ねてデートを失敗させるわけには行きません。
なので、かなり無理をして当日は待ち合わせの駅へ向かいました。連休の始まりだったので、電車も思いのほか混雑していて、その事でもかなり気分が悪くなしまった上に電車の中では席も止まりません。
彼はしきりに心配してくれて「デートは中止にしようか?」と言ってくれましたが久々の恋愛の予感、そして久々のデートを逃す気なんてありません。
横浜ではみなとみらいをぶらつき、定番の観覧車にも乗りました。実は観覧車の中では乗り物酔いをしてしまい、かなりマズイ状況でした。なので、会話も殆どないまま何とか下へ降りました。
ランチを予約してくれている事は知っているので、せめてランチだけでも食べて、申し訳ないけれど今日は早めに帰宅しますというつもりでレストランへ行きました。
さすが名店と言われるだけあり、店員の方のエスコートや注文の取り方やドリンクの出し方も絶妙でした。
BGMは小さくジャズ系の音楽がかかっていました。そして、その後に飛んでもない悲劇が襲ったのです。BGMの切れ間に店内もシーンとしていて、彼と会話が止まった時に私は咳をしたのです。
そして咳と共に、おならを(ぶっ)っとしてしまったのです。
それはもう突然の出来事で、彼にもお店の方にも確実に聞こえているはずでした。私はもうそこにいる事も苦痛になり最後のデザートは何を食べたか記憶がありません。
帰りの電車も途切れ途切れの会話はぎこちなく本当に地獄の時間でした。デートの失敗どころか最悪のデートです。
結局その後は彼とはお付き合いには発展せず、バーにも来なくなりました。(私も暫くは彼に会いたくなくて、バーへは行きませんでした)
恋愛の始まりの予感がありながらのデートでの大失敗。現在は時と共に自虐ネタで友人間では披露していますが、当時は本当に笑えませんでした。