職場で出会った、人生で初めて出来た男友達
私には高校時代からの親しい友人がいます。
彼女は体型こそ太めなものの、表情だったり性格がおおらかだったりするので多くの人に好かれていました。性格もピュアなところがあり、高校の頃から周りの人が恋愛話をする中で彼女は聞き役でいることの方が好きなようでもありました。
自分から恋愛するよりも、人が恋人と幸せになっている姿を見ている方が幸せだとか言っていました。
私よりもずっと性格がいいのに、どうして彼氏ができないんだろう、この人の彼氏になる人は幸せかもしれないなあと考えたこともありました。
高卒で働いていたそんな彼女が23歳の頃、遂にその口から異性に関する話が溢れました。
結論から言うとそれは失敗体験だったのですが、それを機に彼女も恋愛に対する心構えを変えようと思っていることがわかりました。
お相手は同じ職場に務めている20代後半の男性で、仕事の合間に気軽に話をしたり、一緒にお昼ご飯を食べたりする関係だったそうです。
友達はエグザイルの猛烈なファンだったので、そちらの方でも話が合ったのかもしれません。ライブの話だとか、曲についてだとか色々語り合っていたそうです。
彼とはそのように良好な関係を、1,2年くらい続けていたとのことです。
彼女もだんだんその人と一緒にいることに居心地の良さを感じていて、男性の方も同じふうに思っていたのかもしれません。
本人は男性慣れしていなくて、男性を目の前にしたらどうやって行動すればいいのかわからない。なんて言っていましたが、ここだけ聞けばまんざらでもない様子だな、とピュアな彼女らしく微笑ましさを感じました。
ところが、やはりイナイ歴が長かった彼女はどうも自分に自信が持てないようでした。
親しく接してくれる男性がいても、彼に対してノリ気になれないとか、私の他にも良い人がいるのになとか思ってしまったとのことです。
もしかすると、そうした思いが失敗体験に繋がってしまったのかもしれません。
気になる相手から初デートの誘いがあったものの……
ある日、彼女がその男性と話していると「今度休みが合った時、よければ一緒に食事とか買い物でも行かない?」と誘われたそうです。
友達はビックリしてその場ではいいですよといいましたが、内心ではかなり動揺していたとのことでした。
男性からプライベートで遊びに誘われるなんて初だったし、世間的に見たらこれってデートだよなと思ったのかもしれません。
翌月になると新しいシフト表が配られ、ノリ気はしないながらも友人は真っ先に休みを確認したそうです。
その後男性から自分の休みがいつか書かれたメールが来て、その中に自分と重複する休日はあったそうです。
しかし友達は適当に理由を付けて、とうとうデートを避けてしまいました。
ピュアな彼女のことだったので、自分がいざ恋愛を体験するとなると怖くなってしまったのかなと思いました。
次の月にまた友達の側から休日を教えてあげれば良かったのにと思いましたが、友人は気まずいからとそれもしませんでした。
それからはなんとなく男性と疎遠になってしまい、デートが実現することはなかったそうです。
その後彼女の口から恋愛の話が出ることもなく、惜しい所で失敗したなと残念に思いました。
この時の失敗の要因は、自分が恋愛に対して臆病過ぎたからだと彼女は言っていました。
大人になってからは弟以外の男性とろくに話したこともなく、とにかく男性と接する体験が不足している、と分析していました。
いきなりリアルで男性話すのは抵抗あるだろうから、メル友でも作ってみたら? と私は提案しました。
しかし友達はそれもあまりノリ気ではないようで、何とかしたいけど実際に動きだすのも怖いようです。
心配りもできて同性から見ても非常に魅力がある彼女ですが、ピュア過ぎて異性に免疫が皆無なところがアダになっているのでしょう。
これから無事、男性と接することの抵抗感を克服できるといいのですが。