人生初の彼氏
恋愛に関してはかなり奥手だったことから、10代に異性とお付き合いした体験がありませんでした。20代に入って社会人となっても、いまだ恋愛のイメージは、少女漫画に出てくるような恋愛をイメージしていました。
しかし、そんな恋愛経験ゼロだった私にも、驚くことにモテ期がやってきたのです。
それは、社会人となった2年目のことでした。仕事の取引先の男性から告白されたのです。人生初めての告白だったので、それだけでもう夢のような気持ちになっていました。純粋に恋愛に憧れていた気持ちがあるので、異性とお付き合いすることにとても興味深々だったこともありますし、さらには、告白された男性のことを、前々から少し気になっていたこともあり、すぐにOKしました。
人生初の彼氏ができたのです。
何もかもが初体験でした。
お付き合いが始まってからは、とにかく、雑誌や恋愛漫画などから得た知識をフルに活用しました。デートにしても、彼との電話でのラブコールにしても、毎日が新鮮でワクワクドキドキしました。
ただ、リアルの恋愛は、これまで雑誌や漫画に描かれている内容から得てきた恋愛情報とは異なることが多く、失敗も数多くしました。例えばバレンタインデーには、お菓子作りが苦手なのに、頑張ってチョコを手作りしましたが、デキはイマイチで失敗でした。彼の趣味に付き合って釣りに行ったこともありますが、どうしてもエサが気持ち悪くて、全然楽しくなかったこともあります。
それでも、とにかく彼に嫌われないよう、出来る限り彼に合わせて、可愛い女を演じるのに必死になっていました。そのうち、いつの間にか自分らしさがなくなり、偽りの女を演じるようになってしまいました。そのうち、それが恋愛疲れとして蓄積されていってしまったのです。その疲れから、知らず知らずのうちに、純粋な恋愛感情が徐々に失われていってしまいました。
会社の先輩との浮気
2歳年下の彼氏との仲が少し停滞期に入ったことで、そのことを会社の2歳年上の先輩に相談するようになりました。
そんなある日突然、その会社の先輩から告白されたのです。人生でこれだけ恋愛運が急上昇したことがなかったので、このことでもかなり浮かれました。しかもその先輩は年下彼氏の存在を知った上で、浮気をしないかとそそのかしてきたのです。
通常であれば、浮気はよくないとその誘いを断れるのですが、その時の私は、すっかりドラマティックな展開に酔っていました。その浮ついた気持ちが大きな失敗へと繋がっているとは知らずにです。純粋な恋愛感情はすっかり消え去ってしまっていました。
初の浮気体験は、とてもスリリングで、すっかり冷静な判断がなくなってしまっていました。特に好きでもなかった先輩との関係にすっかり盲目状態になっていたのです。恋愛経験が豊富な先輩は、まるでドラマのようなシチュエーションを設定してくれます。年下彼氏とはまた違う恋愛体験をさせてくれる男性でした。その素敵な時間の過ごし方にすっかり魅了されていました。
しかし、先輩との関係はあまり長くは続きませんでした。会社内で先輩が私とは違う別の女性と付き合っているという噂が流れなのです。先輩は2股していたことを知りました。
そのことを知った時、ショックを受けました。しかし、よくよく考えてみれば、私もまた2股交際していたことになります。決して先輩を責められる立場ではないのです。それに気づいた時、愕然とし、私がしてしまったこと失敗の大きさを知り、一気に後悔の気持ちが押し寄せてきました。
先輩と別れた後、年下彼氏には正直にそのことを告げました。すると、彼氏は私のことを許してくれたのです。それほど彼は私のことを、純粋に好きでいてくれるのだということを知りました。
その気持ちに感動し、反省の気持ちと共に、また年下の彼氏とのお付き合いを、一から新たに始めたいという気持ちになりました。
偽りの自分でなく、素直に自然体の私を彼氏に見てもらおうと思いました。